目の前にカンバスを用意した

最初の一筆をいれるのに随分躊躇している

何からはじめようか

線を描こうか

色を塗ろうか

どの筆を使う?

何を想いながら?

大切な人たちを想いながら

キミを想いながら

歓喜の日々と背徳と感謝を抱きながら

カンバスに彩を落とした

目覚めたら巨大な光が目に吸い込まれていった

絶対に眩しくて見れないような光を

ブラックホールのような僕の目が吸い込んでいくようだった

光のなかの光

幾万の彩の重なりがまるでスローモーションのように流れ込んでくる

細部までくっきりと見えるそれは

やがて一つの事実を僕に知らせた

いつもの時間に目が覚める

それはいつものことで

日常であり

変わることは無いと錯覚しているもので

目覚めた僕はきっと今までは眠っていたのだろうと思えるくらい

すべての感覚が開放される

痛いくらいの匂いを感じながら

無数の情報を驚くほど正確に捉える

きっとスーパーマンはこんな感じなんだろう

終わるということは辛いということだろうか

なくなるということは悲しいことなのだろうか

消えるというのは辛い

無しになるというのも悔しい

居なくなるというのは寂しい

でも、終わるということは辛いこと?

終わりのないゲームなんてつまらない

終わりのないことは辛い

終わりがあるから希望もあるのだろう

終わるのが見えるから進めるのだろう

終わったからって泣かなくていい

ただ、覚えていてくれれば満足なのだ

描きはじめた絵はいつかは完成する

2017.8.1 will

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