初めての涙は澄んでいて
物心ついた頃にそれはうっすらとイロづくのを感じとれた
まるで意志があるように
感情と思考と手段が結びついたとき
それはハッキリとイロづいていった
持った傘に草が触れそれがあたかも自分の手で触ったかのよう草が纏う水滴まで感じるように
キャンバスに載せられた絵具を見るまでもなく肌で感じ取るように
流れる涙はイロ濃く周りを染めていく
やがて涙はイロを変え
そのあり方までも変わっていく
流れた涙は私のイロを決めていく
でも私の涙は私のものなのだ
あなたの涙は何イロですか
2019.12 涙のイロ
20代のころ
涙を忘れた事があった
これから泣けることがあるのだろうかと思ってたころ
知り合いが事故で亡くなって
葬式の時、折の合わない父親のお経を聞いたときにね
滝のように涙が溢れてきた
そのころからだろう
わたしは涙に支配されようと思った
涙とともに歩もうと思ったのだ