その色を見た瞬間、制御していた鍵が外れた。そして追ってきた臭いは一瞬にして僕の中の奥の奥にしまってある何かを表にひきづり出した
制御しきれなくなったそれは涙となって溢れ出た。
2019年7月22日
朝からSNS上も先日行われた選挙の興奮が冷めない様子を見ながら僕自身、何かが変わろうとしてるのではないかと期待していた。
先日は遠出もしたので少し怠い身体を起こし支度をして出かけるために車にのった。
家を出て道を曲がったすぐそこの道路脇で違和感
すぐに仔猫が亡くなっているとわかった。
「仔猫、お亡くなりになってる」妻が「どうしよう」僕は止まるか?と言ったが、予定もあり帰りにまだ居たら拾ってあげようとなった。
数十分後の帰り道
まだいた。
急いで帰ってから妻が箱を持って、僕はバケツに水汲んでから現場に向かった。
外傷はほとんど無かったけど、頭を持ち上げてあげたら血が一気に流れてきた。
箱に移してあげて、跡を水で流してから家に帰った。
家に帰ってから庭に穴掘ってあげて、血だらけじゃ可愛そうだから少し洗ってあげてね。
掘った穴に寝かせてあげた。
花を少し摘んでくれて一緒に埋めてくれた。
写真は撮らなかった。でも綺麗だと思った。
目はね見開いてて、土被っちゃうからと閉じてあげようと思ったけど閉じなかった。
2人でごめんな。って言いながら土被せてるあいだに顔涙と鼻水でグチャグチャになったよ。
最後に石なんかよりこっちの方がいいらって、鉢に植わってたのをその上に植え直してくれた。
知らない子なんだけどね、たまたまうちが猫飼ってるからかもだけどさ。
辛いっけ。
なんだろうな、これが魚とかだったらそうは思わなかったのかも、同じいのちなのにね。
僕は牛も豚も魚も食べる。馬や鹿、クジラだって食べるよ。飲食で働いてたからね、肉を裁くことだってやってきた。
勝手なんだ。本当に勝手なんだけど、辛いものは辛い。食べられるために生まれてくるいのちもある。そこにのっかている以上、最低限の敬意をはらいたい。
生きるために生まれて来たいのちには、やっぱり精一杯生きてもらいたい。
勝手なんだけど、ペットショップとかではなくてさ、野良が普通に人と共存できて、最低限の尊厳を持ってから眠れる場所を作ることはできないのかな?そう思ったよ。
人としてうまれたから感じることなのだろうか
正直わからない。
ただ一つ言えるとすれば
少なくとも僕は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
この子には手を合わせる事と
僕の中で影響し、僕を通して彩になってもらう事しかできません。
名前をつけてもらったよ。「ルーピースー」キレイな名前だよ。