茹だるような暑さ汗が滲む腕をあげたときだったと思う
まるで合図を待ってたかのように風が吹いてきた
目の前の景色が変わった気がしたんだ
誰かが遠い向こうから問いかけてくるような気がした
風は汗を拭いながら去ってった
目を瞑れば想い出すよ幼く、細い白い腕を目一杯に伸ばして届くわけもない雲を掴もうとしていた
理由なんかなかったと思う、でも必死に伸ばしてた夢中で伸ばしてた何かがつかめる気がしたんだ
目を瞑れば想い出したんだ
わけも分からず惹かれた音パンク、ロック、メタル、さみしい時だけひっそりポップス
大きなヘッドフォンに汗を溜めながら音量最大にしながら歩いてた
少しだけ自慢の腕を見ながら肩で風切りながら、歩いてたんだ
今なら分かる気がする
僕が忘れていたことでも僕のこの腕は忘れてなかったんだって
茹だるような暑さの中で気づいたんだよ
風はいつだって見ていてくれて、今だって僕に問いかけていることに
僕の知っている夏はもっとアツかったんだ
さぁ今年はもっとアツくなるんだろう